1.特許を出す場合の盲点
まず最初にお聞きしますが、特許を出す場合というのはどんな場合だと思いますか?
おそらく多くの方が、独自のアイデアや技術を思いついて、それを守りたい場合といった具合で考えるかと思います。
それはもちろん間違っていません。
むしろ正解ですし当たり前の話です。
ですが、そこには盲点があります。
というのも、考えたアイデアや技術をそのまま特許で守るだけというのは、あまりに勿体ないです。
最初に考えたアイデアや技術というのは、不完全なことが大半です。
というのもクライアントの方から特許の相談をいただく中で最初に聞くお話が完璧ということはまずないです。
もちろんご相談はそこそこ案が固まったら早めにしていただいた方がいいので、不完全で全く問題ないのですが、重要なのはそこから内容を如何にして膨らませるかです。
2.特許の内容を膨らませる
特許を取るためには、技術やプロダクトが完成している必要はありません。
アイデアだけでも全っく問題ありません。
なので、今あるものだけでなくて、今後の構想のようなものを書いても大丈夫です。
構想のみであっても、こうこうこうすれば実現しますという、論理が成り立てば問題ありません。
ですので、すでにあるアイデアや技術、プロダクトの内容を発展させた将来的なことを記載した方がお得だということです。
もちろん将来的に考えても非現実的なことや、役に立たないことを書いても無意味です。
例えば、技術的に実現がかなり難しい、コストがかかりすぎて事業として成り立ちにくい、というようなアイデアは書く必要は基本的にありません。
ただ、現実的に考えて有益な内容であれば将来的な構想も書いた方がいいです。
3.特許出願書類に記載すべき有益な内容
それでは特許出願書類に記載すべき有益な内容は何か、例を挙げていきます。
例えば、事業戦略、ビジネスモデル、プロダクトの仕様に関することです。
事業戦略、ビジネスモデル、仕様というのは、事業において必ず必要になる要素ですよね?
事業やプロダクトの根幹的なことなので特許より大事です。
けれどもそれらを考えることによって、特許になるような内容も出てくることが多いのです。
特許のことを検討していくとどうしても特許を取ることばかりに意識がいってしまうのですが、それだと視野が狭くなりすぎてしまいます。
考えるべきことの例をざっと挙げます。
例えば、事業戦略やビジネスモデルの観点でいうと、自社のプロダクトや技術と他社のプロダクトや技術とのアライアンスがあります。
自分達にはないようなものでも他社が持っていればそれを組み込んだビジネスモデルを作るということです。
例えば共同開発やコラボといった形です。
そうすると他社との連携を想定した内容の特許を取ることが可能になります。
実際に弊社もSOSドローンの方で他社のプロダクトと連携するドローンの研究開発の話を進めていますが、それに合わせた内容を特許出願に組み込んでいます。
他には、例えば課金モデルを考えるというのは有効です。
実際によくご相談者様に課金モデルを提案することがあります。
特に、多くのユーザを集めつつ課金を行う方法は有効です。
その課金モデルは、ビジネスモデルでありつつ、プロダクトの機能でもあるというわけです。
それから仕様に関しては、例えば、プロダクトのUI/UX、構造、機能、形、大きさ、物性、組成、材質、成分、性能、部品、規格、方式など色々あります。
これらを多面的に考えることが大事です。
もちろん事業戦略、ビジネスモデル、仕様などの全てが特許性に寄与するわけではないです。 なので、これらをそのまま特許出願書類に書けばいいという話ではありません。
ですが、まずはこれらを広く検討して、色々な要素を抽出した上で、その中から特許になりそうなものをピックアップすればいいわけです。
そうすると、色々有益なアイデアが出て、かつ特許の権利範囲が広くなって強い特許を取りやすくなります。
4.ビジネス×開発×特許
大まかに分けて、ビジネスの観点、開発の観点、特許の観点の3つで考えると、それぞれがブラッシュアップされます。
これら3つの要素は本来しっかり連動しているべきです。つまり三位一体で考えるべきです。
なので、特許のことを考えることはビジネスや開発のことを考えることになり、同様にビジネスのことを考えると開発や特許のことを考えることになり、開発のことを考えるとビジネスや特許のことを考えることになります。
弊社はクライアントの方からご相談いただくときは、必ずこのように3つの観点でヒアリングをして、幅広く物事を考えてアイデアを出します。
それこそ自分が事業をやるぐらいの気持ちで考えます。
自分で事業をやるなら、事業戦略、ビジネスモデル、仕様などは当然考えますよね。
もちろん、弊社で行っているドローンの開発の事業でも3つの観点で広く考えてます。
そのように検討すると、結果的に特許出願の効果が断然変わってきます。
考えたアイデアや技術について、そのまま特許を出すのと、これら3つの観点で幅広く検討してから特許を出すのとでは雲泥の差が出ます。
特許出願の内容自体も良くなるのに加えて、ビジネスや開発のことも同時に検討できるので一石三鳥になります。
特許を出すことなんて、ただの事務作業のように思う方もいるかもしれませんが、検討の仕方によっては、これまでお伝えしたようにもの凄く有益な機会にできます。
弊社の場合は、自社で新しいドローンの開発をゼロから行っているスタートアップというのもあって、ビジネスや開発のことを日頃から考えています。
そのため、すぐにビジネスと開発と特許が頭の中で結び付きます。
これは誰でも訓練次第である程度はできると思います。
なので、特に経営や事業の全体を把握しやすい中小企業・スタートアップなどの方は、こういったことを意識して、特許出願をすべきです。
ただし、一人だけで行うのは難しいので、こういった3つの観点のことを考えられる知財専門家に仕事を依頼すべきです。
以上、特許出願をするときに事業戦略・ビジネスモデル・仕様なども同時に検討すべき理由をお伝えしました。
ぜひとも特許出願を最大限に有効活用していただければと思います。
本記事の内容について弊社にご相談がありしたら是非ともお問い合わせ下さい。
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